2歳~

イヤイヤ期が始まったら知っておきたい3つのこと

育児の最初にぶつかる壁、それが魔の2歳児『イヤイヤ期』です。初めての育児でも聞き覚えのある方は多いのではないでしょうか。

0歳は少しづつの小さな成長に喜び、1歳はだんだん言葉も出てきてコミュニケーションが楽しくなってくる頃。2歳は自我が芽生えてきて、こちらの思い通りにいかないことが増えてきますよね。
この時期は、何をしても『イヤ!イヤ!』と言葉がかえってくる言動が多いことから、イヤイヤ期と呼ばれています。

このイヤイヤ期、実は体験してみるとなかなか辛いもので、食べる物を拒否、服を着るのも拒否、自分でやりたいと言った事も最終的には拒否。大人とはいえ常に否定され、反抗的な態度が続けば気持ちのいい物ではありません。
子供が何を求めているのかが全く分からないのでうまく対応出来ない事が続き、お互いにストレスが溜まってしまいます。
その結果、怒りすぎたり、突き放してしまったり、いい結末にはならない事が多いですよね。

ですが、そんなイヤイヤ期を少しでも理解することで、怒りをぶつけてしまう事も、それによって自己嫌悪になる事も減るはずです。

こちらでは3つのテーマに分けてイヤイヤ期を勉強していきましょう。

イヤイヤ期が起きる理由は脳が未発達なため。

買い物中のスーパーではオヤツを買ってくれないと寝転んでぐずり、どの服も着たくないと泣いてパジャマで家を出る。外は晴れているのに長靴を履くといって聞かない。など、イヤイヤ期のエピソードは大人には『なんで?』と思えるようなことばかりです。

これらのイヤイヤ期に見られる現象は、脳の前頭前野がまだ未完成なことからおこる行動であり、この器官は感情や行動の制御、考える、記憶することなどを担っている部分でもあります。

前頭前野が成長してくると、『抑制機能』が働くようになるため感情のコントロールも上手になり、だんだんと癇癪なども落ち着いてくる傾向にあります。

脳は1歳までに70%成長し、3歳の頃には85%も成長するようですが、これは重さの成長度合いのようで、2歳の脳はまだまだ感情のコントロールや、衝動を抑えるのが難しい状態だと頭に入れておくといいでしょう。

イヤイヤが出てしまう行動の原因

言葉でうまく伝えられないから

自分の思っていることを伝えたいのにそれに適した言葉がわからなかったり、してほしいことが相手に伝わらない場合、大人でも『もどかしい』気持ちになりますよね。
そんなもどかしさからくる苛立ちなどの不の感情を、脳が発達過程の子どもが堪えるのは至難の業です。

上手にできると思っていたのに出来なかった、理想と現実のギャップにショックを受け、出来なかったことへの不安な気持ちを処理することが出来ずに周りにぶつけてしまうんですね。

言葉でもまだ上手く伝えられず、感情のコントロールも難しいとなれば、泣いたり、叫んだり、体を使っての体現になってしまうのもわかる気がします。

思い通りにいかないから

イヤイヤ期といえば、出来ないことでもなんでもかんでも自分でやりたい!という行動も顕著に現れます。

ですが、そう上手くいくはずもなく、思い通りにいかないことに不機嫌に。出来ないなら手伝ってあげようと手を出すと、自分でやりたいのに!とさらに機嫌が悪くなる。
出口のない迷路のような、負のループが完成する訳ですね。

本当に困っている時には手を差し伸べないといけませんが、子どもが自分の力でやりたがっているなら、満足するまで見守る姿勢も大事になります。
求められてから手伝う、を意識してみるといいでしょう。

甘えたい

言葉も少し出てきて頼もしく見えるかもしれませんが、2歳はまだまだ甘えたいお年頃。

どんな風に甘えていいのかわからない甘えべたな子、表現の仕方が叩いたり、困らせたりすることで構ってもらおうとする子、様々なパターンがあるので大人から見ても甘えたいのかがわからない場合もありますよね。

そんな時はまず怒ったり突き放してしまうのではなく、話を聞いてあげたり、『あなたに関心を持っているよ』という気持ちが伝わるようにしてみましょう。

機嫌が悪くイヤイヤしていても、抱きしめながらゆっくりと話をしてあげると落ち着きを取り戻すことも少なくありません。愛情表現が過度であっても毒になることはないので、たくさん甘えられる場面を設けてあげて下さいね。

イヤイヤ期の対応法

否定ではなく共感を

2歳児にとって状況や優先事項をふまえて行動するのは難しく、自分の気持ちを一番に考え、表現しています。
そんな子どもの気持ちを否定するのではなく、まずはその考えを受け入れ、共感するところから始めましょう。

「○○がしたかったんだね。わかるよ、残念だよね。」「このお洋服好きだもんね、着たかったんだね」

など、子ども自身の気持ちを代弁してあげるように言葉を選びましょう。
子どもも、自分はそんな気持ちだったんだと心情を整理することができ、今後同じような事が起きた時にも、相手への伝え方のお手本に繋がります。

選択肢を与えてあげる

「どっちの服がいいかな?」「片づけとオヤツ、どちらを先にやろうか?」

命令するのではなく、選択肢を作ってあげることを意識しましょう。
自分で決めれたことで、物事を思い通りに動かしている感覚になり満足感が生まれます。

ここでのポイントは、まず親が適切な選択肢を選んであげること。
全ての選択肢から好きに選んでもらっても、最終的にそれはやめておこうか、というような物事を選んでしまう場合があります。何を選択してもいいと思える候補を提示してあげましょう。

クールダウン出来る時間を作る

謝れなかったり、泣いたりわめいていたり、拗ねたりして話ができない。そんな状況で声をかけ続けても、なかなか響きませんよね。
何を言ってもが反応が返ってこないと、だんだん「話聞いてるの?!」とこちらまで不安定な気持ちになってしまいます。

話せなかったり、反応が返ってこない場合には、無理に向き合おうとするのではなく、一度距離をとるなどして落ち着く時間を設けてあげましょう。


「○○君、悲しかったみたい。後で謝ろうね。」「ママはこんな風に思ったんだ。お話出来るようになったら教えてね」
など、ひと声かけてから時間をあけてあげれば、相手の気持ちもわかったうえで心の整理ができます。
少し時間をおくことで、親の方も言動に余裕が生まれるはずです。

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最後に

育児には個人差もありますから、本やネットで調べたとおりにやってみても上手くいかないことも多いですよね。
イヤイヤ期などの行動も正確に期限が決められている訳ではないので、「いつまで続くんだろう」「ずっと続くんじゃないか」と不安になったりもします。

ですが、これも成長の証。
歩き始めも、転びながら、手を繋ぎながらのスタートだったのを思いだしてみて下さい。早く1人で歩かないかなぁとぼやいていたのもつかの間、今はもう走り回れるくらいにマスターしているはずです。

終わりを求めるとその時期が苦しく感じてしまいますが、今現在の成長を感じるように意識を変えると、とても一瞬だけの貴重な時間に感じます。だから、子育てがひと段落した親たちは「この時期は大変だけど、とてもいい時間だった」と口を揃えて言うのかもしれません。

イヤイヤ期も、自分の感情をコントロール出来るようになるまでのちょっとの辛抱。
少しでも多くの方が、可愛くて、大変で、ワガママさが愛おしい2歳児との楽しい思い出をたくさん作れますように。