子どもの年齢が幼いうちは集団生活での様子を見ても、まだあまり他者に興味がなかったり、周りを考えるそぶりは見られません。
ですが成長するにつれて、集団行動が出来るようになってくる子とそうでない子の差が見え始め、行動の遅さも目立ってきます。
親心としては、周りと違う行動をとっていたり少しづつ遅れる行動を見ていると「どうして?」「なんでできないの?」と不安や心配になりますよね。
こちらでは行動が遅れてしまう理由や対応を紹介していきたいと思います。
周りの子と比べ、求めすぎている
行動が遅いと感じる理由の1つは他の子と比べて遅い、「その子が出来るスピード」ではなく「周りの子たちスピード」を求めている場合です。
参観に行くとなんでうちの子だけ出来ていないんだろうと出来ないことばかりが目について気なってしまう経験はないでしょうか?
そのような場合には、たいていが他の子の出来ている行動と自分の子の出来ていない所を無意識に比べてしまっていることが多く見受けられます。
その際にぜひ試してみてほしいのが、他人と比べるのではなく以前の本人と比べてみることです。
前は出来なかったことに目を向けることで、周りからは遅れているかもしれませんがその子自身の成長を感じることが出来るはずです。
「周りの子はもう皆帰る準備出来てるのになんで出来ないの?」⇒「前は10分もかかっていたけど5分早くなったよ、頑張ってるね!」
出来ていることに目を向け、そして成長していることを伝えてあげましょう。
成長を褒められたり、認めてもらえた経験から、その行動は強化され習慣的になるはずです。
気が散るものがある
なにか他の物に意識をとられて集中出来ていない場合です。
- 食事中にテレビがついているためご飯が進まずいつまでも終わらない。
- 支度する導線のそばにおもちゃが置いてあるのでつい遊んでしまい準備が進まない
まだ幼い子どもは脳の「行動を制御する機能」が発達段階であるため、何か興味を惹かれるものが近くにあると、どうしても楽しそうな方にいってしまうのは当然のことです。
テレビをつけながら「ご飯を食べなさい!」と怒るのではなく、子どもが集中出来る環境を整えてあげることが大事です。
例えば、学校や幼稚園などの準備する導線には、おもちゃや触りたくなってしまう物は置かない。または見えないように目隠ししてあげる。
こうすれば、準備しなきゃ!という意欲が削がれることなく最後まで集中が続くことも増えるはずです。
仕事や勉強の机上に、今度行く予定の旅行先のパンフレットがあったり、好きな番組が流れていたら、大人だって集中できませんよね。子どもであれば尚更です。
まずは集中出来る環境作りから始めてみましょう。
発達障害
- 集団行動が苦手で皆と違う行動をとりたがる
- こだわりが強くあるために遅れてしまう
- 外部からの刺激に敏感(音、臭い、光)でやるべき事に集中出来ない
発達障害とは自閉症スペクトラム障害(ASD)、ADHD(注意欠如・多動性障害)、学習障害(LD)をまとめた総称として使われます。
軽度の発達障害やグレーゾーン(発達障害と診断されないがその傾向にある)では、知識のない人から見ると「ワガママ」「親のしつけが悪い」「自分勝手」と見られてしまうことも少なくないようです。
また発達障害と併せて光、音、匂い、触覚などが敏感な子も多くいます。
大きい音が苦手で一斉保育時のマイクや音楽に泣いてしまったり、泥遊びの手触りがイヤで過敏に反応してしまうなど人によって反応はさまざまです。
他の子が気にならないようなものでも、その子にとってはとても気に触ることで、やらなければいけないことが手につかないのかもしれません。
もし発達障害であれ、グレーゾーンであれ、特性を知ることで対応を変えることが出来たり、その子にあった適切な支援をうける事が出来ます。
でも「うちの子発達障害なのかな?」と思っても、誰かに相談するのって意外に勇気がいることだったりするんですよね。
ですが相談のできる環境をつくる事でいいアドバイスをもらえたりメンタル的にも安定がとれます。
また診断を受け専門機関の支援を受けることにより、集団生活を送るうえで必要なことや苦手を克服するなどの訓練を子どもにあったペースで受けることが出来ます。
もし気になる場合は子どものため自分のためにも、勇気を出して先生や家族に相談してみましょう。
指示を出しすぎている
つい言葉がわかるようになってくると指示を出せば全てこなせるはず。と期待しすぎてしまいます。
例えばお出掛け前の準備中、あなたも自分の支度に忙しいので、子どもが出来そうなことはやってもらおうと声をかけます。
「ハンカチ入れたら靴下はいて、トイレ行ったら玄関で待ってて」
こんな風にたくさんのやる事リストを詰め込んだ指示を出してはいないでしょうか?
実は上の声かけでは、細かい指示が4つも入っているんです。
- ハンカチを入れる
- 靴下を履く
- トイレに行く
- 玄関で待つ
親からすると、ちゃんとやる事を伝えたんだから出来てないのはあなたのせいと考えてしまいがちです。
そのため、期待が裏切られ言ったことが出来ていない場合には、「どうして出来てないの!」と子どもをせめる結果に。
しかし、忘れてはいけないのが相手はまだ子ども。脳の発達において、大人に比べてこなせる作業数は多くありません。
指示の内容が何個まで、と決まりはありませんが、子どもが無理なくこなせる数にしておくと出来なかった時の親側のメンタル的にも良いですし、子ども的にも達成できたことで自信に繋がります。
1~2つずつの指示をだして、その都度声をかけるように意識するといいでしょう。