1歳といえば早い子では歩き始め、目を離せなくなってくる頃。
お家で遊ぶのも、公園に行っても目が離せません。
また幼児の成長度合いは少しの月齢の差でも大きく変わり、うちはまだ歯が生えてこないなぁ…寝返りをうたないなぁ…と順調に発達しているのか不安に思うことが多いですよね。
成長は言うまでもなく人それぞれですが、親心や保育者としてはどうしても「この子の発達具合は大丈夫かな?」「皆もそうなの?」と気になってしまうもの。
そんな方のために、平均的な1歳児における発達や成長をまとめました。
予備知識として頭に入れておくことで不安の解消になればと思います。
1歳児の平均身長・体重
国(総務省)が発表しているデータから、平均的な1歳児の身長体重をまとめました。
女の子平均身長 | 女の子平均体重 | 男の子平均身長 | 男の子平均体重 | |
1歳 | 76.8kg | 9.9cm | 78.6kg | 10.9cm |
一般平均で見るに、女の子に比べ男の子の方が少し大きいようです。
あくまで平均的数値ですから、平均より大きい、小さいと考えすぎないように気をつけましょう。
母子手帳などにある発育曲線グラフに、身長体重を点で書いて繋ぐいくと成長曲線が見えます。
望ましい曲線の形は緩やかな右肩上がりですが、急激に線が上がったり下がったりする場合、病気などの可能性も考えられます。
気になる方は健康診断時に相談したり、受診しましょう。
1歳児言語能力【ことばを蓄える時期】
1歳頃には「ママ」「パパ」「マンマ」など簡単な言葉を2~5つほど覚え始めます。
まだコミュニケーションをしっかりとれるほどの会話力はありませんが、喋ることに比べ、聞いて理解することのほうが得意な時期でもあります。
意思の疎通はまだ難しく、最初のうちはこちらからの一方通行になってしまうはず。
「ママはトイレに行くね」と言うと寂しくなって後からトイレに来たり、「○○をとって」と言うと渡してくれたりする様子からも伺えます。
またこの時期の脳の成長は著しく、言葉も含めてたくさんのことに触れさせてあげることがとても大事です。
まだしゃべれないからと話しかけないのではなく、色々な言葉をかけてあげることで吸収する機会を増やしてあげましょう。
喃語(なんご)
1歳児は主に「あーあー」「うーうー」のように、言葉ではない言葉を話します。
ここから発展して「まーまー」「まま」のように時間をかけて少しづつ言葉が広がっていきます。
この頃は言葉をそのまま教えるよりも「ぶーぶー」「わんわん」などのリズムのいい言葉が発音しやすく、覚えやすいでしょう。
幼児向けの絵本などで言葉のリズムや絵を楽しむことによって、表現力や言語力も養われます。
1歳児の身体機能【からだを動かす遊びが大事】
1歳の身体機能としては、「はいはい」「つかまり立ち」「歩き始める」この3パターンのどれかに当てはまる頃でしょう。
手足の力もつき、動きに安定感も出てきて、しゃがんだりすることも出来るようになってきますよね。
一般的に脳や視覚、神経(運動神経を含む)は0~10歳まで成長しますが、幼児期にはそれらのベースとなる部分が形作られます。
なので積極的に公園の小さな遊具で遊んだり、手をつないで散歩に出たりと行動の幅を広げることで身体能力の向上に繋げることが出来ます。
加えて体を動かす遊びもこの頃からより一層楽しめるようになり、一緒に踊ったり、手遊び唄をしてあげるととても喜ぶのでおススメです。
- むすんでひらいて
- おはなしゆびさん
- さかながはねて
- 大きな栗の木の下で
- お弁当箱のうた
など、他にもたくさんの手遊び歌があるので気になる方はyoutubeや本などを見てみると手遊びレパートリーが増えますよ。
好奇心自我の目覚め意思の疎通
だんだんと自我が目覚め、自分の要求を通そうとしてくることが増え始めます。
オモチャをとられると、泣いて怒ってみたり「自分の物」という感覚も芽生えてくる時期です。
好奇心も大勢なので色々なことを試そうと手に取って触ったり、口に入れてみたり、大人からすると「イタズラ」に感じることが多いですが、子ども達はそのイタズラの中でたくさんの感覚を養っているんです。
危ないことでない限りは学びの時間として受けとめるといいかもしれません。
- ティッシュを永遠に出し続ける
- 大事な書類が破られる
- 財布の中身を全部出され隠される
- 鼻にアスパラガスを詰めて取れなくなり救急病院へ
これらは私の育児経験談ですが、思い出深いオモシロ経験が出来るのもこの頃のように感じます。
皆さんも思い出に残る子どもならではのイタズラを楽しんで下さいね。
1歳児がいる家庭で注意したい事故
1.誤飲
目で見て、手で触り、口に入れるのが6ヶ月~の幼児に見られる、物に興味を持った時の一連の反応です。
なので、口に入れてはいけないものは子どもの手が届く所に置かないように心がけましょう。
一見して口に入らなそうなものでも、簡単に分解できて小さくなる物などにも注意が必要です。
目安としてはトイレットペーパーの芯が子どもの口と同じくらいなので、それよりも小さな物は窒息の原因になり兼ねません。触らせないよう気をつけましょう。
食べ物ではミニトマトなどをそのまま飲み込んでしまい、窒息に繋がってしまう事例が多いようです。
半分に切るなどのひと手間を加えることで未然に事故を防ぎましょう。
2.手と目を離さない
当たり前ですが、常に大人がそばにいて見ている状態が、子どもの危機回避のためにはベストです。
とはいえ、掃除や料理などやらなければいけないこともあるでしょうから、常にそばにいて行動を把握することも難しいですよね。
そのため、ある程度1人でいても大丈夫そうな環境を整えることが大事になります。
物は極力置かない、誤飲しそうなものは置かない等の出来ることから始めるといいかもしれません。
家の間取り的に、物をしまう場所がなくて困っている方には子どもの周りを囲むサークルがおすすめです。
私自身、家の収納があまりなく物が出ている状態が多かったので、使う時だけ出して畳んでしまうタイプを使っていましたが、歩きはじめで行動範囲が広がった時にはとても重宝しました。
以下では家での危険なポイントについてまとめたので、目を通しておくとお子さんの事故予防になるはずです。
1歳はリビングでの事故がとても多い
- コンセントで遊んでしまい感電
- ソファやベッドからの転落
- ヒーターやストーブ、加湿器などの熱源での火傷
- たばこの誤飲
- テーブル上の物を誤飲、落下からの怪我
家でのほとんどを過ごす空間だからこそ、どうしても事故が多くなってしまうようです。
1歳児の手の届く高さはおおよそ100cm。
個人差はありますが、100cmを目安に手の届かない場所へ物を置く習慣をつけましょう。
キッチンでは火傷に注意
- コンセントなどを引っ張り、お湯や熱い油を被って火傷
- 洗剤など薬剤の誤飲
- 炊飯器やポットなどの蒸気で火傷
キッチンは子どもにとって非常に危ない空間と言えます。
調理中は包丁や熱い鍋が出ている状態ですから、さらに危険です。
まずは入口に柵をつけたり、簡単に入れない工夫をすることをおススメします。
浴室での危険
- シャンプーや石鹸などの誤飲
- 浴槽への転落・溺れる
小さな子どもは20cmの深さがあれば溺れてしまうと言われています。わずかでも浴槽の残し湯をしないなど、危機管理を忘れずに。
子どもは浴槽内で溺れてしまうと、手や足が浴槽から出ないので、バシャバシャと音がたつことは少なく、近くにいても気付きにくい傾向にあります。
浴槽に子どもを立たせておいて、自分がシャンプーする場合などもまめに様子を見るように意識しましょう。
最後に
1歳頃は数か月の月齢差によっても出来ることが大きく変わったり、周りが出来ているのになぜうちの子は出来ないんだろう…と不安になることも多いことと思います。
ですが、あまり周りや平均値にとらわれすぎると、子どもの成長スピードや自分の育児を責めてしまったりと子育てを楽しむことが出来なくなってしまいます。
私自身、最初の子育ては何が正解なんだろうとたくさん情報収集しましたが、その情報に子どもの成長が追いついていないと感じるととても落ち込み自分を責めることがよくありました。
喋るのが遅くても、優しかったり。
優しくなくても、運動神経が良かったり。
たくさん泣くけど、たくさん笑う。
出来てないところが目について気になる気持ちはとてもよくわかります。
でも、「出来ていること」や「出来るようになったこと」を見つけてあげられるようになるだけで成長を感じる場面は増え、子育てはとっても楽しくなりますよ。
ぜひ、お子さんの素敵なところをたくさん見つけてあげて下さいね。